忽那賢志 (@kutsunasatoshi)先生”クソリプ”訴訟を語る②。”電話番号の特定のために弁護士に着手金117万8400円”

医クラと裁判
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m3の記事が更新されていました。下記記事の続きです。

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第9回 SNSのクソリプを訴訟するとどうなるのか―飛翔編

2023年7月8日付でm3に寄稿されていました。m3の記事は登録者のみ閲覧できるのですが何故か記事タイトルをGoogle検索してリンクを踏むと登録してなくても記事が読めたりします。
更に今回も記事のキャッシュが残っていたので読んでみましょう。

m3.com 第9回 SNSのクソリプを訴訟するとどうなるのか―飛翔編(Googleキャッシュ) 面倒な人は画像で↓

当該記事キャプチャ。今回は短めの投稿である。

“電話番号の特定のための着手金がズバリ「117万8400円」”

記事中、弁護士費用について触れられており、50アカウントに対する開示請求の着手金として117万8400円を支払ったことが記されています。

弁護士事務所に支払う費用としては、

①    電話番号の特定のための着手金
②    電話番号特定の成果報酬金
③    住所氏名の特定の事務手数料

――となっています。細かく課金されるシステムになっており、この辺りは、課金アプリなどで慣れている方にとっては驚かない仕組みではないでしょうか。

 最初に支払った「①電話番号の特定のための着手金」がズバリ「117万8400円」です。①の時点で脅威の大台超え。ちなみに、③まで行っても本人特定しただけで訴訟まで始まってない状態ですからね。最終的にいくら支払わないといけないのか不安になってきます。

第9回 SNSのクソリプを訴訟するとどうなるのか―飛翔編

過去記事や、忽那先生の弁護士からのお手紙が届いた人のTw1より、忽那先生の依頼する弁護士法人は「弁護士法人モノリス」であることが明らかなため、この料金体系は「弁護士法人モノリス」のものとわかります。

相場を知らないので、この117万8400円という値段が他と比べて高いのか安いのか分かりませんが、まあ1人当たり2万円ちょっとと考えれば安いのかもしれません。

 1人を対象にする場合の着手金と比べて、単純に50倍にはならないということで、私のように対象とする人数が多い場合は「トクトクプラン」ということなのかもしれません。知らんけど。

第9回 SNSのクソリプを訴訟するとどうなるのか―飛翔編

この前段記事にあたる~立志編にて、弁護士法人モノリスは「某小説家先生」からの紹介2と書かれており、他の事務所と比べようがないのかもしれませんが、実際安いのでしょうか?

(余談)開示請求の着手金の相場 

ざっと検索したところ、モノリスはなんか安そうですね。

①U&T vessel 法律事務所
  U&T vessel 法律事務所は以前、sekkaiこと山東典晃氏が顧問弁護士として使用していた弁護士事務所です。3

同法律事務所のコラムでは、一番安い任意開示請求で5万円からとなっています。

先にもお伝えしましたが、発信者情報開示請求の手続きは弁護士に依頼するのが一般的です。
弁護士への報酬には「相談料」、「着手金」、「成功報酬」、「実費・日当」がありますが、その大部分を占めるのが「着手金」と「成功報酬」です。
依頼する手続きによって、弁護士費用の目安は以下のようになっています。
(成功報酬が発生しない場合、又は着手金と成功報酬を区別せずに「手数料」として設定される場合もあります。)

任意開示請求:着手金5~10万円程度、成功報酬10~20万円程度
仮処分命令申立:着手金20~40万円程度、成功報酬10~20万円程度
発信者情報開示請求訴訟:着手金20~30万円程度、成功報酬10~20万円程度

U&T vessel 法律事務所 法律コラム 開示請求の費用はいくら必要?手続きの流れも解説

②グロース法律事務所
忽那先生と同じ関西の法律事務所。ここは書き込み一件あたり16万円から

(2) 弁護士費用(書き込み一件あたり)
①任意請求(裁判手続きを用いず、各プロバイダに任意で開示を求めます)
着手金 16万5000円~
報酬金 22万円~

②裁判上の発信者情報開示請求
着手金 22万円~
報酬金 22万円~

※同一サイト内における複数の書き込みを対象とする場合は要ご相談
※仮処分手続においては、別途担保金として10万円から30万円程度が必要となります。

グロース法律事務所  発信者情報開示請求について弁護士が解説

③法律事務所アルシエン
~立志編 の最後に忽那先生も紹介していた『しょせん他人事ですから~とある弁護士の本音の仕事~』(白泉社)というマンガの監修をしていた、ネット開示請求のパイオニアともいえる清水陽平氏の事務所です。

着手金275,000円~/仮処分1件 となっています。

削除請求:送信防止措置依頼着手金33,000円~、報酬金55,000円~
削除請求:仮処分着手金275,000円~
発信者情報開示請求着手金275,000円~/仮処分1件
損害賠償請求着手金22万円~、報酬金別途
刑事告訴着手金22万円~、報酬金22万円~
誹謗中傷対策顧問11万円~/月
開示請求に係る回答書作成77,000円~/通
法律事務所アルシエン ご契約の流れ/料金

”1人を対象にする場合の着手金と比べて、単純に50倍にはならないということで、私のように対象とする人数が多い場合は「トクトクプラン」ということなのかもしれません。”と本人が書いているように、今回50アカウントに一気に開示請求するということで、ボリュームディスカウントがかかっているような気がしますね。

ついでに、この清水陽平弁護士は捏造されたTwitterスクリーンショットを証拠として開示裁判を行い、開示させた相手から反訴されています。捏造スクショは投稿日時の記載がなく、加工の跡もある粗雑なものでしたが「まさか投稿が捏造の可能性があるものとは全く思い至らなかった」と読売新聞にコメントしています↓。

他人がSNS中傷を「捏造」、木村花さんの母は気づかず提訴…真偽見極め困難(読売新聞:2023/06/22 10:58)4

尚、清水陽平氏はTwitterアカウント(@shimizu_alcien)を運用していますが、本件に関して言及はない模様です。

忽那先生の裁判は何事もない事を祈ります。

脚注

  1. 弊ブログ→このへん①②参照。
  2. 弊ブログこのへん参照
  3. 【医クラ列伝】 sekkai(@sekkai)こと山東典晃の考察。 - @sekkai の本名は?
  4. 2023.06.22 読売新聞(記事魚拓)
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